日本の医療の良いところが、日本医療制度崩壊の原因に?

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日本の医療の良いところ

日本に住む日本人・外国人のみなさん、日本の医療についてどう思われますか?

良い点としてよくあげられるのが、

  • 医療費の自己負担率が低いので、安く(または無料で)治療が受けられる
  • どんなに人里離れた場所で倒れても救急車が駆けつけてくれる
  • 受付や看護師さんなど接客・サービスの質が良い
  • 医療技術が高い、検査機器・設備が豊富
  • 病院・薬局など施設が清潔
  • 先進国なので医療レベル・医薬品も最先端、優秀というイメージがある

こんなところでしょうか。

もちろん、実際には年齢や性別、家族構成、国籍、どんな医療を受けた経験があるのか(どのような病院や医師に受診したか)、どの程度の頻度で医療サービスを受けているかによって全く感想が異なっています。

日本は良い医療が当たり前?

さて、こういった日本の医療の良い点について、日本で医療を受けている患者さん本人は

健康保険料を払っているんだから、良い医療サービスを受けられるのは当たり前でしょ

と、あまり「すごい」と思っていないか、

そもそも自分が日本の医療について何か困る事もないので、特別に医療の内容について考えてみた事がない

というように無関心?なケースが非常に多いように思われます。

健康の話題は大好き!でも医療制度には無関心な日本人

普段海外と関わり、また外国人として日本に住んだ経験もある人たちからすると、

日本人は医療について恵まれすぎていて、逆にあまり関心がないんだな〜

とか、あるいは

日本では書店でも広告でも、健康に関する話題も商品も尽きないくらい健康オタク(?)なのに、医療について意識が低いのは不思議だな〜

という印象を持ちます。

日本の医療の良い点、海外から見るとちょっと違う?

日本の医療の良い点を含めた特徴を、海外・外国人というちょっと異なる点から眺めて検証してみます。

  • 医療費の自己負担比率が低い:患者にとってはとても助かるが、自己負担しなかった分は一体誰が負担しているのか?結局保険料や税金が増える事になり、別の形で負担が増えるのではないか。
  • 受診や検査がスムーズである:受診のハードルが低すぎると、無駄な受診や検査が増える(医師も簡単に検査や受診をすすめてくる)。結果負担する医療費も増える。通院回数も増える。
  • お薬を沢山処方してくれる:不要なお薬まで大量に処方されるので、いくら自己負担が少ないとはいえ結果的に負担するお薬代も増える。処方してもらうために通院回数も増えてしまう。
  • 病院の接客・サービスの質が良い:患者にとっては嬉しいが、日本では医師・看護師等医療提供者が不足していると聞く。過労・ブラックな働き方が蔓延すると、医療提供者が潰れてしまい、長い目で見るとサービスを維持できないのではないか。将来的には患者も困る事になりそう。
  • 病院のシステムが整っている:受診から検査、治療、処方、お薬の受け取りまでシステムが整っているので患者は治療について考えず「医師・病院にお任せ」の状態でいられる。が、一方で融通が効かない。マニュアルやガイドラインに固執しすぎるあまり、患者の状況に合わせて治療・処方を変えるなど、臨機応変な医師・病院が少ない。
  • 患者の意見が反映されにくい:医師・病院の権限が強く、患者が自らの意思や意見を言いづらい状況が多い。柔軟な対応が望めない。
  • 新しい医療技術・新薬を取り入れるのが遅い:医療業界、医薬品業界の組織が堅固すぎて、法律や商習慣も古臭い。そのため海外で医療に関して新しい流れや発見があった場合でも取り入れるのが遅い。最先端と思いきや、実は古い知識や技術のままの治療を患者は受ける事になる場合がある。

日本の医療の良い点が、むしろ今後の課題になる

これらを合わせて考えてみると、現代の日本の医療の問題点と、今後の課題も見えてきます。

比較的患者の医療負担が低く、接客などサービスも整っていて、患者は「病院とお医者さんにおまかせ」の状態で治療できる。受診のハードルが低い。

結果、患者が自分の治療について積極的に知ろうとする気がなくなり、どのくらいの費用がかかる治療なのか、自分の病気はどういうもので、どんな治療法があるのか、処方されているお薬はどういったものなのか、といった知識にも乏しくなる。もし必要のない通院や適切でない古い治療を続けていて、お金と時間を無駄にしていたとしても気がつかない。

患者本人にとっては全く「悪意のない」過剰受診が、日本の医療費やその他の税金負担を膨張させ、医療制度破綻のリスクが高まっている。これは結果的に患者自身にとっても受難の可能性がある。

よく「平和ボケ」という言葉がありますが、医療に関しては戦後の一部の年代や条件に当てはまる人がこの「満たされているので(差し迫って不足はないので)何も考えなくて良い状態」となってしまったのが、現在から今後の日本の医療制度疲労の原因の一つではないかと思います。自分自身が問題に直面するまでは、なかなか周囲に既に問題が起こっている事や、ましてや将来の事など考えようとは思いませんもんね。

ここから見えてくる医療制度崩壊を食い止める為の解決策の第一歩は、

患者さんもまだ治療が必要でない人も、現在の医療制度や医療の内容に関心を持つ事

だと思います。

誰かにお任せ、無関心。は楽チンですが、その代償は大きいんですよ。